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Rさん

Rさんは、私が京都にいるとき、
人を通じて知り合った、ずいぶん年上の男の人です。

そして彼は、在日朝鮮人の二世です。
家族も、今は誰もいません。

だから、と言ってしまうには、あまりにも色々あって、
そんな言い方は乱暴で、陳腐の様な気もして、嫌なのですが、
私などが想像もつかない程、本当に苛酷で、
大変な人生を送られた方です。

しかし、私の知っているRさんは、
いつでも、とても優しく、義理堅く、男気のある人でした。

いつ会っても、パリッと糊の効いた白いシャツを着て、
いつもニトロを持ち歩いているくらい、心臓が悪いのにも拘わらず、
煙草を吹かしていましたが、とってもダンディーな人でした。

野山や自然を、読書を、子供たちを愛し、
播州平野の景色や政治について、
時には女性について、熱く語ります。

運転中、気分が乗ると、古い古い、聴いたこともない、
昔の歌謡曲を大きな声で歌います。

手作りの美味しいキムチも作ってくれました。

みんなで松茸を採りに(結局採れなかったけど)
一緒に山にも登りました。

私の引っ越しまで手伝ってくれました。

色んな所に、車で送り迎えもしてくれました。

そして何故だかよく解りませんが、
こんな私のことを『かわいい』と言って、可愛がってくれました。

私を見付けると、肩をすぼめて、綻ぶような笑顔で
「おーっ!キミもおったんかー!」と言います。
私もついつい、それが嬉しくて、その顔見たさに、
ひょっこり顔を出し、にっこりします。

別れ際には、しょっちゅう
「頭の黒い鼠に捕まらんようにしいやー!」と、言います。

とにかく、京都を離れてからも、
いっぱい、いっぱい本当にお世話になりました。

なのに、私は何ひとつ、恩返しも出来ぬまま、
突然のお別れがやって来てしまいました。

あの、綻ぶような笑顔が、目に焼き付いていて、
それをもう二度と見ることが出来ないかと思うと、
今、とても淋しい気持ちです。

今までの、これからの人生の中で、
一体何人の人が、あんな笑顔を私に向けてくれるだろう?

私自身こそ、何人の人に向けてゆけるだろう?

そんなことを今、ぼんやり考えています。

大事な誰かを亡くすことも、
亡くした人を目の当たりにすることも、
当たり前のことですが、何度経験しても慣れません。

出逢ってしまった瞬間から、どんな形にせよ、
別れていくことからは逃れられません。

けれど、やはり、私はこれからも誰かと出逢っていきたいし、
彼と出逢えたことに、それが、彼の人生の中で、
ほんの少しの間であったとしても、心から感謝しています。

Rさん、たくさん、いろいろ、本当にありがとう。

そして今、あなたが一番大切にしてきた人を、
あなたを、思いもかけず失って、
言葉にならないくらい一番淋しい思いをしてる人を、
私も出来る限り、大切にしていきたいと思っています。

みんな、あなたのことが大好きでした。


私事で、本当に申し訳ございません。。。


また、明日から頑張ります!

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